映画『ハルのふえ』見てきました(ネタバレアリ)

同時上映は『アンパンマンの生まれた日』と『ロボくんとことり』。
アンパンマンの生まれた日』→『ハルのふえ』→『ロボくんとことり』の上映順でした。
アンパンマンの生まれた日』については以下のページで語っていますのでここではメイン上映作品の『ハルのふえ』と同時上映『ロボくんとことり』について。
https://tgws.plus/anpandb/movie-birth
『ハルのふえ』、狸のハルに育てられた人間のパルの物語ですね。
本当は映画を見た後原作絵本を買おうと思っていて、逆にそのために絵本を今まで買わなかったのですが、あろうことか近所の書店に置いていなかったので、原作を知らない感想となります。あと、タイトルにも書きましたが、そこそこネタバレありです。
ハルの変身術、所詮狸だから大した事あるまいと思っていたら、うたた寝しても術が解けず、何年も術を継続使用できるとか、なかなかすごいですね。すごすぎて、ハルが自分の正体を明かそうとしたとき、逆に狸に戻れなくなっていましたが。
このオチ、なかなか良かったですね。奇跡が起きるといえば、大抵何か大きなことが突然起こるということなのですが、このお話では、何も起こらないことが奇跡だったのです。パルにとって、ハルは最初からお母さんだったし、これからもお母さんであり続けるのでしょう。
このラストの面白さは、途中で出てきたライバル、ミロ・ザマー*1によるミスリーディングも一役買っていたと思います。このキャラクター自身はコンクールでパルに負けたっきりもう登場しなくなりましたが、コンクール出場前、パルの顔を見て、狸の顔と重ね合わせるシーンがあったんですね。このシーンによって、パルも実は中身は狸なんじゃないかという思わせられるわけです。あと、ざまーみろ。
他に金髪のかわいい女の子も出てきていましたが、あの子は特に何もありませんでしたね。あの子はあの子で色々お話してくれていましたが。…特に何も感じませんでした。マリーという名前だったと思います。
さて、ハルは人の母親らしい優しい心を持っていて、作中の大半を人間の姿で過ごしていたわけですが、随所に見られたハルの奇行が、人のような心をもっていてもあくまでも狸であり人間ではないということを思い出させてくれます。こういうところの細かい描写も丁寧でした。
えっと、この作品には何らかのメッセージが込められていたようなのですが、私はそういうところの洞察力がないので、とりあえず、素朴な音色は英才教育の超絶技巧を超えるという結論にさせていただこうと思います。
『ロボくんとことり』、題名通り、ロボくんとことりの話です。
主人公のことりは普通の小鳥に人面が付いていて、かわいいような気持ち悪いような…。他の小鳥たちは人面無しの普通の小鳥でした。
みんなの幸せのため、誰に気付かれなくても一人黙々と仕事を続ける、すると、それを慕って誰かがついてくる、そんなやなせ作品の基本に忠実なお話だったと思います。
映像は3DCGらしく、異様に滑らかに動いていました。
あと、三作品全部に言えることですが、なぜか小鳥たちの動きがやたらと良かったような気がします。

*1:という名前だったと思う。間違っていたらごめんよ。