空飛ぶゴムベンチ解説
http://www.hatena.ne.jp/1139451992 の33の回答について。
理想的な条件*1なら15番の理由で可能でしょう。それが本当に可能なのか、それこそが質問の意図するところだったのでしょうが、理想条件をはずしたとたんに他の沢山の人が言っているような理由*2浮かなくなるんですね。悲しいなあ。
しかし、本当にやろうとすると、まともにやろうとすると浮かないというかそもそも囲むことすら不可能だというのはワレワレ百も承知なのだ。だからこそ『ただし 「長さが地球の円周以上のベンチは作れない」という回答はナシでお願いします。』なんて但し書きをつけているのだ。ワレワレどこかで上昇志向なのだ。
そういうわけで回答の方向性を「浮くか浮かないか」ではなく、「浮かす方法はあるのか」にしたわけです。そしてもう一つ大切なことは、「地球」や「公園」や「ベンチ」など、実在するものを指定しているわけですから、理想状態を考えるのはナンセンスだということです。
ではここで質問内容を整理してみましょう。
これを見てわかるのは、使ってよい理想条件は長いベンチが使えるということだけです。地球には山も他にもありますしベンチは人が座れなきゃいけません。これらを踏まえた上で実現可能な案を出していかなくちゃならないのです。
まずは足を取っ払った瞬間ベンチが崩壊するという問題を解決しなければいけません。本当は21の理由で壊れずなおかつ浮かないと思うのですが、重力以外によるひずみで壊れないとも限らないので、壊れないベンチ作りから始まります。地球の力は人間のスケールをはるかに超えているので人間にとって硬い物質を使ったとしても地球の前には軟弱で、むしろ硬さゆえのもろさが強く出ることでしょう。だからこそ逆に柔軟な強靭さ*7を持った材質を選んだわけです*8。わかりやすそうだったのでゴムと書いたのですが実際には材料探しから始まることになるでしょう。
しかしそれだと15の理屈が使えないので他の方法で浮かす、つまり、5・27・30・32・34のようにベンチが能動的に浮くことができるというアプローチを取ることにします。「人工衛星として浮かす」、「磁力で浮かす」、回答以外では「風船で浮かす」などのアプローチがありましたが、安定なつりあい*9を実現しなおかつ座れるものにするために磁力によるアプローチをとることにしました。本来、例の15の方式だと力の釣り合いのみで回転モーメントの釣り合いがないため回転が防げなかったのですが、リニアモーターカーを浮かせた状態で停止させるのと同じ方法と同じようにすれば*10回転もまた防ぐことができるのです*11。物を浮かす磁力は距離の二乗に反比例する反発力なので24とはまるで逆のことが起こって、場所によって異なる反発力、それも都合のよいことにその場所を維持するような反発力ができるおかげで、人が座っても風が吹いても元の場所を維持できるのです*12。
しかし残念ながらこの現実的なアプローチのおかげで条件１と４を破ってしまいました。しかしこの問題に対しては物理的アプローチができなかった*13ので、屁理屈で攻めることになりました。
以上の如く、笑える回答かもしれんが、オレは本当に大真面目に考えていたのダ！ちなみに結構な磁力が溢れてるから金属物を身につけてるヤツは近づくな！
*1:地球が宇宙に唯一の剛体球で、ベンチもまた剛体であるという条件
*2:中には明らかに見当違いな理由もあるが
*3:「公園にベンチとかあんじゃん。もしその長さが」から
*4:長さの指定は「もしその長さが地球の円周以上で」のみ
*5:『ただし 「長さが地球の円周以上のベンチは作れない」という回答はナシでお願いします。』から
*6:「地球ぐるっと囲んだらベンチの足いらなくね？ってか空中に浮かね？」から
*7:硬いとある一部分でのひずみが遠くまで伝播するため、いろんな場所でひずみが起きるとそれが累積して大きなひずみとなるが、柔軟な材料だとひずみが起こるとその部分が変形するだけでひずみが局所のみに押さえられる
*8:これだと地形に合わせて変形することもできるので更に都合がよい
*9:ちなみに理想条件による浮くベンチは不安定なつりあいのため人が座ると落ちるらしい。反二乗則以外にも考慮すべきことはあるので実際に計算してみないことには本当に不安定かどうかはわからないのだが
*10:ただ、ベンチとしての性能を維持するため磁石の配置に少し工夫がいる
*12:地震が起こったら壊れそうだがそれは足があっても同じことなので考慮しない
*13:今までの議論を捨ててしまうことになるため
